[中学受験]音読のすすめ

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[中学受験]小学生が音読するべき理由を解説

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音読をすることはとても大切です。

とはいえ、音読がなぜ重要なのかをちゃんと理解している人は少ないと思います。

今回はなぜ音読が学習において重要であるのかを効果的な音読のやり方も含めて説明します。ぜひ皆さんの学習の参考にしていただけると嬉しいです。

それでは、いきましょう。

音読に関する研究

低学年に関する研究

まず、小学2,3,4年生を3つのグループに分け、文章の内容理解度をチェックしました。
それぞれのグループに対して、

  • 黙読
  • 音読

によって文章を読ませて、その理解力を測るテストを実施したところ…

結果として、音読させたグループの方が点数が高かったのです。

次に、小学校高学年の子供たちに同様のテストをしました。

すると、同じく音読した方が成績は良かったのですが、それと同時に、もう一つ分かったことがあります。

それは、読解力の元々高い子に関しては、変化があまりなかったということです。

つまり、音読は、読解の苦手な子には、効果があり、得意な子には、あまり効果がないということなのです。

音読についての通説

小学校低学年などの読解が苦手な子どもは、音読をすることで読解力の改善が見られます。しかし、それを強制させると作業になってしまいます。
いかに自主性を引き出すか。楽しませるか。これが問題です。

読解力の改善

正しく音読をするためには、漢字の読み方や文章の切れ目を完全に理解する必要があります。したがって、言葉の意味や文章構造を理解しようとする意識が自然と働きます

物語文であれば、登場人物の心情変化に。
論説文であれば、論理構造の流れに。

また、音読をする際には、文章が耳からも入ってきます。後述しますが、記憶への定着にも役立ちます。

東京大学先端科学技術研究センター講師の髙橋麻衣子氏も、「音読の構音運動が理解を支える」として、音読は文章の理解を助けると述べています。そして、音読の上手い人は読解力が高く、また読解力がついてくると音読がスムーズにできるようになるそうです。つまり、音読と読解力は相互に高め合える関係なのです。

もちろん、一定以上の読解力がある人にはあまり意味はないでしょう。

滑舌

音読には、滑舌を良くする効果もあります。読者の方も、幼い頃に滑舌が悪いせいで相手に話が伝わらず、何度も聞き返されたことは記憶にあると思います。

滑舌のお悩みをお持ちなら、テンポの良い文章を音読することで滑舌のトレーニングになります。

そもそも滑舌が悪い原因には、舌の筋肉が弱いことや、舌の筋肉やあごをうまく動かせていないことが挙げられます。しっかりと声に出すことで、舌の可動域が広がってスムーズに言葉を発することができるようになるはずです。

また、書き言葉では目にしたことがあるものの、話し言葉で聞いたことのない言葉のイントネーションを矯正できるのは、音読をするときだけです。

記憶形式

音読を繰り返すことで、記憶への定着を促すことができます。

一番身近な例として、理科社会での語呂合わせです。
語呂合わせは、何度も声に出すことによってイントネーションごと記憶する方法です。口、耳、目に訴えかける語呂合わせの破壊力は、経験してきていると思います。

鳴くよウグイス平安京。絶対に忘れないでしょう?

特に、意味も通っていれば一生記憶に残ります

また、黙読との違いも興味深いです。

音読よる記憶は、逐語的記憶や、短期記憶に最適で、
黙読による記憶は、要旨的記憶や、長期記憶に最適です。

音読の効果的な方法

読解力不足解消

読解力の未熟なお子様には、やはり音読が最適です。

低学年は基本的に音読

特に意識させるべきことは、

  • 言葉のイントネーション
  • 助詞の使い方
  • 文脈に沿った読み方

物語文であれば、登場人物の気持ちの流れを追ってください。喜んでいるなら、嬉しそうな声で。物寂しい光景の描写なら、悲しそうな声で。
論説文であれば、接続詞に注意させましょう。また、「〜から。」などの文末にも注意を向けさせてください。

これによって、正しい日本語が身につき、物語文においては感情の動きを、論説文においては論理構造に自然と注意して読むことができるようになります!

音読はつぶやきで良い

小学校高学年のお子様に音読をさせる際には、恥ずかしがってしまってイライラしてしまうかもしれません。
そんな時には、つぶやき読みでいいのでさせてあげましょう。

つぶやくように読むだけで、読解力は改善します。ブツブツ読むように伝えてください。

読み聞かせも

読解力が未熟な子は、そもそも正しい日本語が分かっていません。それは親御さんの読み聞かせによって、解消してあげてください。注意すべき点は、自分で音読させる時と変わりません。

もちろん自分で読むことも大切なので、半分を親御さんが読み聞かせて、半分を音読させるという形が良いでしょう。

記憶への定着

社会の単純記憶

中学受験特有ですが、社会の地理や歴史は単純記憶になります。意味が通っていなくとも、覚えさえすれば良いので、語呂合わせを作ったり、教科書を何度も繰り返し音読したりして、体で覚えてしまいましょう。

国語の重要テーマ

短くわかりやすい日本語を使った文章は貴重です。
親御様の時代で言えば天声人語がそれに当たるかもしれませんが、知っておくべき重要なテーマを時間をかけて音読することによって、正しい日本語の使い方が記憶されるだけでなく、子供の記憶に一生残ります。

親御さん自身が、最も価値を感じる文章を読ませると良いでしょう。

最重要なこと

さて、最後に最も大切なことをお伝えします。

それは、子供の読解力にあった文章を読ませるということです。


どの教科でも同じですが、その子に最適な難易度というものが存在します。

しかし国語では、その難易度の見極めが難しい。

文章を読めていても、問題に答えられないことがあります。読むことと書くことは全く別物です。読むことはできていても、答える時に詰まってしまう子もいます。表現の語彙力が足りなかったりするということです。

したがって音読をする文章を決めるために、読解力の見極めは親御さんがする必要があります。お子さんが繰り返し読むことで意味が分かる文章を探してあげてください。

言うなれば、文章の好みを探すようなものかもしれませんね。

以上です。長文お疲れ様でした。

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